高齢者の要注意薬

種類 薬剤名
( )内は代表的な商品名
問題点
抗不安薬
睡眠剤
クロルジアゼポキシド(バランス、コントロール)
クアゼパム(ドラール)
ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)
クロラセブ酸(メンドン)
ロフラセブ酸エチル(メイラックス)
フルトプラゼパム(レスタス)
メキサゾラム(メレックス)
ハロキサゾラム(ソメリン)
クロキサゾラム(セパゾン)
ふらつくなどして
転倒や骨折の
危険が高くなる
睡眠剤 フルニトラゼパム(サイレース、ロヒプノール)  
抗ヒスタミン薬
抗アレルギー薬
dl-マレイン酸クロルフェニラミン(アレルギン)
塩酸ジフェンヒドラミン(ベナ、レスタミン)
ヒドロキシジン(アタラックス)
ジプロヘプタジン(ペリアクチン)
プロメタジン(ヒベルナ、ピレチア)
d-マレイン酸クロルフェニラミン(ポララミン)
尿がでにくくなるなどの
抗コリン作用の症状が現れる恐れ
鎮痛剤 ペンタゾシン(ソセゴン、ベンタシン) 鎮痛薬の中で、錯乱や幻覚などの副作用がもっともおきやすい
抗不整脈剤 ジゴキシン(ジゴシン)
(1日あたり0.125mgを超える場合。
ただし心房性不整脈治療時を除く)
食欲不振、嘔吐などの症状
降圧剤 ニフェジピン短期作用型製剤(アダラート) 低血圧、便秘を引き起こす恐れ
胃薬 H2ブロッカー せん妄(意識の混濁、錯乱や幻覚など)が起きる恐れ
胃かいよう等の薬・
抗うつ剤
スルピリド(ドグマチール) 手足が勝手に動いたり、指が震えたり、舌がもつれたりする症状が表れる恐れ
抗血小板薬 チクロピジン(パナルジン) 肝機能障害が起きる恐れ

国立保健医療科学院の今井博久疫学部長らの研究を基に作成

高齢者では、
血液中の薬の濃度が長時間、高い状態にあるので、
副作用の発生率が高くなります。

疾患・病態別一覧

特定の疾患病態において使用を避けることが望ましい薬剤

疾患・病態 種類 薬剤名
(  )内は代表的な商品名
問題点
排尿障害 抗コリン作用のある
抗ヒスタミン剤・
抗アレルギー剤など
(上記表「抗ヒスタミン薬抗アレルギー薬」参照) 尿量を低下させ、病状を悪化させる恐れ
狭心症や心筋梗塞の既往 片頭痛治療薬の
トリプタン系の薬
スマトリプタン(イミグラン)
ゾルミトリプタン(ゾーミック)
リザトリプタン(マクサルト)
エレトリプタン(レルパックス)
不整脈・狭心症や心筋梗塞など重い症状が表れることも
COPD
(慢性閉塞性肺疾患)
長期作用型ベンゾジアゼピン系の抗不安薬

βブロッカー
クロルシアゼポキシド(バランス、コントロール)
ジアゼパムセルシン・ホリゾン)
クアゼパム(ドラール)
クロラセブ酸(メンドン)

プロプラノロール(インデラル)
呼吸がしにくくなる副作用が出て、病状を悪化させる恐れ
緑内障 抗コリン作用がある
気管支拡張薬

抗コリン作用がある
抗アレルギー薬・
抗ヒスタミン薬など
オキシトロピウム(テルシガン)
チオトロピウム(スピリーバ)

(上記表、「抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬」参照)
緑内圧を高め、症状を悪化させる恐れ

国立保健医療科学院の今井博久疫学部長らの研究を基に作成