平成を振り返る(iPS細胞の誕生)

平成12年(2000年)6月、ヒトゲノムが解読されたとの発表。


さくらだより第9集(ヒトゲノム解読完了)

これを受けても、細胞の歴史の時間軸を元に戻すことが出来るようになるなどとは考えなかった。

平成22年(2012年)11月 日本人研究者 山中伸弥先生のノーベル賞受賞の発表時には、研究の内容をよく理解出来ていない人々も、いつの日にかiPS細胞の技術によって損傷をしてしまった神経や、磨り減った軟骨や、脳内に減ったドーパミンを復活できる時が来ると歓喜した。

薬局内でも「"iPS細胞”が出来ればね・・・・」という会話が飛び交ったのを思い出す。しかし当時はまだ夢物語であった。

平成26年(2014年)1月、STAP細胞 の発表には、癌化の心配がない方法とのことで心躍らせたことを覚えている。若い女性の研究者の「若返りの薬も夢ではない」という言葉に、飛びついてしまった。

さくらだより第23集(SATP細胞)


しかしこれは程なくして、論文詐称とのことで取り消されてしまった。今でも、STAP細胞の存在については賛否両論あるらしい。


<後記>

 平成を写真で振り返る特集をしてたところ、ある人から「iPS細胞」を最後に取り上げて欲しいと言われた。

 もとより、これに関する写真は手元にない。さて、どのように振り返るか??

 一年近くそのことを考えているうちに、若くして不治の病の為に旅立った人たちの顔が次々と浮かんだ。

さくらだより第1集(年賀欠礼)

さくらだより第4集(生きたかった)

lさくらだより第5集(生きる)

さくらだより第11集(藤原智将くんの遺作展)

lさくらだより第11集(インフルエンザ猛威)

 次に不治と診断された病気や怪我がいつかは治療できると願いながら、ついには諦めて(?)受け入れた人々の顔が浮かんだ。

 人生の時間軸を、元には戻すことが出来ないことを痛感した。

 人類の歴史上経験の無い高齢社会を迎えて、病気の治療がどのような方向に進むことが幸福なのか?考えさせられてしまうのである。